マンモグラフィーと超音波
私たちが日常の診療で行う検査にはマンモグラフィーと超音波という2本柱があります。「乳房の検査」として、まず思い浮かぶのはマンモグラフィーという方が多いでしょうか?実際マンモグラフィーは大切で、触っても気づかない様々な病変の存在を教えてくれます。
患者さんの中にはマンモグラフィーだけで十分と、超音波に関心を持っていただけない場合もあります。しかし、正常乳腺も腫瘍も白く写し出されるマンモグラフィーでは、細かい所見は白さに隠れてしまい分かりづらくなります。
これを補ってくれるのは超音波検査です。超音波はマンモグラフィーで捉え難い病変を、周囲の正常乳腺とは異質な構造として認識しやすく、リアルタイムの動画として様々な角度で観察できる特徴があり、有用な検査です。
一方マンモグラフィーにも早期乳癌の手がかりとなる石灰化という所見や、乳房の構造的な乱れを一見して捉えやすいという強みがあり、大切な検査です。2つの検査は互いに支え合うよい相棒なのです。しかし、超音波が有効な乳房の方でも過去に一度も超音波検査の経験がないという方もいらっしゃいます。
自治体の検診助成は従来マンモグラフィーのみが対象でした。平成27年に日本で40歳代女性の乳癌検診を対象にした研究でマンモグラフィーに超音波を併用することでマンモグラフィ単独と比べ乳癌の発見率が1.5倍になったとの研究結果が発表されました。これを契機にして、最近札幌市でも年代は限られていますが超音波も自治体検診の助成対象にする動きが具体化し始めています。もちろん年齢や乳房の状態によっても検査の選択肢は様々です。
日頃家庭やお仕事で忙しい女性が、検診を受けたり、何らかの症状で検査を受ける際に、せっかく作った時間をより効果的に使用するのは大事なことです。両者の併用で総合的な判断を受けることで、より一層の安心を得ることができるのではないでしょうか。
