精密検査

1. 細胞診

病変を検出した際、最初に行う入口の検査です。細胞はヒトの組織を形作る最小単位のブロックです。
この検査では、病変を構成する細胞が通常の正常な細胞に比べてどのくらいの強さの変化を示しているかを評価します。乳房には複雑で多彩な病変があります。その構成細胞によって病変を今後どのように扱うべきか(良性と考えて経過観察で良いのか、それとも現段階で良・悪性の鑑別のため組織採取検査に進むか?)の方向性を決めるための大切で簡便な検査です。当院では細胞診専用の穿刺吸引装置を用いて当日短時間で行います。

2. 組織生検

細胞診の結果から現時点で組織確認をしたほうがよいと判断した場合、以下の方法の中で細胞診の内容を参考に病変の特性を考慮しつつ、患者さんの希望や状況(年齢・居住地や内服薬など)をあわせて、最適と思われる方法を提案・相談します。

1) 針生検(コア・ニードル・バイオプシー CNB)

バード モノプティバード モノプティ

局所麻酔で痛みをなくしたうえで、細胞診よりも少しだけ太めの針で小さな組織の断片を採取する比較的簡便な検査法です。多くの病変はこの方法で確定診断が可能です。傷は2~3ミリ程度であまり目立ちません。

2) 吸引式組織診(VAB)

バード バコラ バイオプシーシステムバード バコラ バイオプシーシステム

同様に局所麻酔のもとに針生検に比べてもう少し太めの針で、組織を吸引しながら採取する検査です。この検査法は細胞診の内容を検討して、上記の針生検の針では確実な診断が難しい可能性があると考えられる病変に対して選択します。(一回の採取で針生検の10倍量の組織量が採れ、情報量が多く病理診断の助けとなります)傷は4~6ミリ程度です

3) 外科生検

局所麻酔もしくは全身麻酔で病変の部位だけを小さく切除します。
細胞診の内容から病理検査で鑑別が難しそうな境界病変や腫瘍全体を摘出して検討が必要な場合・診断と治療を兼ねる場合などに選択します。傷は大きめ(平均3~4センチ程度)になります。

※どの検査の場合も、終了後は可能ならば傷の部に防水シートを貼って、当日夜から翌朝にはシャワーをかけていただけるようにします。

精密検査の結果報告までには、数日お時間をいただきます。